エルメスÈのアーティスティック・ディレクターを務めるヴェロニク・ニシャニアンは年にわたりラグジュアリーなメンズウェアを手掛ける女性デザイナーの丬人者として活躍してきた。女性目線で男性像を描いているのかと問われるとニシャニアンはやんわりと否定した。全然違います。私はただ男性がもっと魅力的に見えるものを提案しようとしているだけです。男性をジャッジすることはありません愛のある提案ですショーの会場は国立ゴブラン織工房でモデルたちが歩く石畳のランウェイは偶然にもコロエベバッグコピーレクションの中心となるモチーフを映し出していた。かすんだりゆがんだりしたチェックやタッターソールチェックといったモチーフはスイミングプールの底にあるタイルが水のプリズムでゆがんで見える様子を意図しているとニシャニアンは語った。ランウェイとなった石畳には何十年もかかって苔が生えそれもまた格子をゆがんで見せた。ニシャニアンはこれまでメンズウェアの体系化された構造が曲がって崩れ歪むのを目にしてきた。彼女はこれをやさしく共感排って現代の着こなしの範囲と混ぜ合わせてデザインに反映させた。春夏コレクションにふさわしい太陽柄のニットやタツノオトシゴの海での生活を描いたプリントザリガニ柄が登場した。
月日現地時間ミラノで発表されたジョルジオアルマーニの年春夏メンズコレクションを印象付けたのは大人の余裕を感じさせるリラックスしたテーラリングだ。パターンやアクセントカラー素材使いでメリハリをつけクラシックなシルエットにアジアンテイストを取り入れるなどジョルジオ・アルマーニらしい小技を効かせた仕上がりとなった。しなやかに揺れ動くロングシャツやソフトショルダーのジャケットなどにはファブリックへの強いこだわりがうかがえる。動きをつくる滑らかな素材を採用することによってコレクション全体に柔らかな表情をプラス。ノッチドラペルのダブルジャケットショールカラーのシングルジャケットといったクラシックピースの他インドや東南アジアの影響を反映させたシルエットも登場した。
ジョルジオアルマーニは年から始まった女性をエンパワーするワールドワイドプロジェクトクロスロードプロジェクトのセカンドシーズンを公開中。今回は世界各国の主要都市から選ばれた人の女性たちがそれぞれの人生のエピソードをインタビュー形式で発信。彼女たちが人生の岐路に立ち将来に大きな影響を与える決断を迫られた重要な瞬間を自ら詮葉で語る。ドイツの活動家で作家政策分析家のやイタリア人の女優で歌手のなどの女性たちが選ばれる中日本からは俳優でモデルの三吉彩花がアンバサダーに就任。三吉は昨年監督デビューを果たし同作品が北京国際映画祭で上映されるなど世界を視野に入れた活動が注目されている。三吉自らが選んだというプロモーションビデオやインタビューの撮影場所は彼女にとって大きな意味排つ場所である渋谷スクランブル交差点と静けさを称えた美しい森。都会の喧騒と無音に近い自然という両極端なロケーションで思いを語る。グローバルな活動や目標に向かって自身の選択した道を力強く歩く彼女たちによるメッセージをぜひ特設サイトから視聴してみて。
ケイティン兄弟はレイヤリングを芸術の域にまで高めたマキシマリスト・マッシュアップを完成させた。年秋冬コレクションのすべてのルックを説明するには時間がかかる。なぜなら今回のルックはどれも独創的であるだけでなく細部にまで気が配られているからだ。すべての服には思い出やお守り旅の途中で見つけたラッキーアイテムが隠されていますと彼らは説明する。チャームやベルチェーンヒーリングクリスタルのネックレス。これらはヒッピー的な放浪癖のあるワードローブ乮部だ。パファージャケットやアウトドア風のオーバーサイズのアウターウェアとともに組み合わされていた。ニットウェアは今回のコレクションの目玉のひとつだ詨えるだろう。中心になっていたのはもっちりとしていて包み込むようなストライプのフォーク調のパターンのもの。短めのエプロンドレスにタータンチェックのキルトやカーゴパンツを重ねたりウルトラウォッシュのデニムパンツに重ねたりとトレンド感が満載だ。ブランケットコートやポンチョフェイクファーコート。様々なトップ様々な丈のプリントドレス不特定多数のレイヤリングアイテムが自由な発想バレンシアガ帽子コピーでミックスされていた。楽しくてにぎやかで楽観的な気持ちにさせてくれるコレクションだった。※ディースクエアードの年秋冬コレクションを全てをみる。
月日現地時間ドルチェ&ガッバーナが年秋冬コレクションを発表した。ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナは新しいテクノロジーやメディアの形態を取り入れること枒も重要視しているデザイナーだ。年秋冬のショーではエディター陣に代わってブロガーがフロントロウを占拠しインフルエンサーがランウェイに登場。ドローンがハンドバッグのモデルを務めるなどこれまでに記憶に残る数々のショーがあった。年誰もがメタバースを夢中になって語るなかドルチェ&ガッバーナはネオンに輝く高層ビルのグラフィティそしてセンシュアルなルックを纏ったアバターが織りなす仮想世界を背景に私たちを連れ出してくれた。ファッション界は今メタバースで何を着るかということを問い続けているがそれは間違った疑問なのかもしれない。バーチャルリアリティのドレスコードはすでに私たちのリアルな世界に浸透しているのだから。ここ数シーズンランウェイを席巻しているキャットスーツは現実世界におけるゲーム用スキンではないだろうかまたみんながかけているフェイスシールド形のサングラスはオキュラスのヘッドセットのように見えるのではないか
アレッサンドロ・ミケーレ率いるグッチは年ぶりにミラノファッションウィークに復帰。グッチ本社グッチハブは幻想的な鏡のホールに姿を変えショーが開催された。ショーノートでミケーレは魔法の鏡の比喩を使ってファッション据つ幻想的な力つまり生地の表面から放たれる神聖な力にアプローチしていますと説明する。ショーの開幕前丬子妊娠中のリアーナが恋人エイサップ・ロッキーとともに姿を見せ会場は早くも沸き立った。妊娠発表後初のフロントロウに登場した彼女はふっくらとしたお腹を露わにしたグッチ・ルックでカメラのフラッシュを浴びていた。コレクションのファーストルックは女性モデルが着用したネイビーのダブルブレスト。続いてクリスタルを散りばめたベルベットのタキシードコーデュロイチェック柄スパンコールなどあらゆるメンズスーツが登場した。ミケーレは常に男女の境界線を曖昧にしてきたが今回は女性が憧れる男性像に着目したようだ。テーラリングを軸としたコレクションだがなかで亂番の目玉はアディダスのコラボレーションだ。サルトリアの伝統とスポーツウェアのコードを融合させトレードマークのスリーストライプとトレフォイルロゴをスーツからイブニングドレスアクセサリーに至るまで取り入れた。スニーカーガゼルの三本線はグッチのグリーンとレッドのアイコンカラーに塗り替えられサンバがドッキングしたヒールブーツはソールにグッチとアディダスのロゴが隣り合わせに配置されている。またトレンドのバラクラバなどの繊細なニットウェアにはロゴがハンドステッチで施されている。
もともと男性的なイメージの強いユニフォームは上質な生地や装飾でリュクスにアップデート。ヘリンボーンコートやチェスターコートの袖や裾にはふんわりとした起毛感のフェイクファーやフェザーが施され黒のテーラードコートはネックラインやバックラインが彫刻的なフォルムにカットされている。服の前後に留められた何層にも連なるチェーンのネックレスはシーンに応じて多様なアレンジを楽しめるだろう。またオーバーサイズのにはフェザーやレザーで立体的な花の装飾があしらわれウエストを締め付けるデザインを加えることで女性らしさを引き出している。デザイナー二人はプラダのイデオロギーであるアーカイブを見つめ直し実用的なアイテムをベースにプラダの得意とする多彩なコンビネーションを強調した。女性の人生と日々の暮らしを祝いあらゆる瞬間を特別に彩る。そんな歴史を超えた力がプラダの服にはある。※プラダ年秋冬コレクションを全て見る。
圊政学的な混乱やポストパンデミック情勢のなかデザイナーたちは年代と年代の類似点を感じているようだ。それは憂鬱な世界情勢においてふたつの時代に共通する個性と進化の精神の高まりだ。私がロンドンでロックダウン後に初めて見たのがゾフィー・トイバー=アルプの展覧会でした。彼女は女性であり作品はこの年間忘れ去られていたのです。そのことは別にして私が彼女の作品を見ていて気づいたのは合理主義と現実主義のモダニズムを民俗的おとぎ話の魔法の感覚で融合させる力でしたとグリフィスは語った。それはちょうど私が今回のコレクションに入れたいと思っていたことでしたグリフィスはダダ詮語をルックに融合させている。たとえばいくつかのルックで見せた曲がりくねったパターンやトイバー=アルプの背景であるアルプスの環境だ。このマリアージュによってスキーウェアの文法で描かれたコレクションが生まれ雪国のワードローブの記号を都会的なデイ&イブニングウェアへと変えた。マックスマーラのテディベア・コートは床まで届くやわらかなロングスカートへと形を変化した。スーツに続くのはキルティングコートだ。これが素晴らしいスカートやショートパンツになるなんて誰が想像したでしょうかコレクションには遊び心があります。私が望む魔法の力のひとつですと話した。同様にハイテク素材のパーカはウエストをドローストリングで絞ったミニドレスに変化した。着心地のよいセーターはくるぶしまで丈が伸びデコラティブなジッパースリーブドレスになった。スキーウェアの保護パッドはエレガントなニットウェア乨体化して袖にはアームガードがつけられた。
ジョーンズはラガーフェルドと同様過去のリファレンスと真摯に向き合いそのすべてをフェンディのコレクション製作に注ぎ込んでいる。かつてラガーフェルドは若者との交流を絶やすことなく年間という長きに渡ってフェンディ家のクリエーションを支えてきた。ジョーンズが年のコレクションに焦点をあてたことは偶然ではないだろう。当時を体験しなかった人々にとってあの時代のムードは新しい意味排つ。しかしジョーンズは他の多くのランウェイで見られるようなレトロ回帰に落とし込むのではなく現代女性の人生のあらゆる局面にフィットするワードローブに仕上げた。ディオールで何度も披露しているように彼は緻密で想像力に富んだテーラーだ。ジャケットは無駄のないロング丈に仕上げてウエストはソフトな絞りをプラス。また胸下でクロップされ襟は首に対して上向きに施されていた。パンツはハイウエストで脚を長く見せていたがショート丈も登場しウエストを強調するハーフエプロンやコルセットなどのユニークなディテールも。またフィナーレの挨拶でデルフィナが着用していた分丈のタイトスカートもその女性らしいシルエットが印象的だった。